「子供の自殺増加の背景」5・子供特有の自殺要因

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要点

  • 家庭問題による自殺が徐々に増えている。
  • 健康問題による自殺が減少している。
  • 子供の自殺最大の要因は学校問題である。

自殺統計の中では自殺の原因に関する統計値も発表されており、子供の自殺原因もそこで公表されている。しかし、現在の統計方法は2007年に変更になったものであり、時系列を古くまで遡れないという問題がある。

それ以前は遺書をベースに自殺原因が発表されていたが、現在では警察が調べた結果が原因として発表されている。その変更には甲乙の両面から評価できるが、いずれにせよ、2007年を境に時系列が途切れているため、2007年からの統計値を前提に自殺原因を考察する。

子供の自殺の原因(推移)

この表に更にもう一つ付記が必要になる。このデータは19歳以下の自殺統計に基づいており、小中高生だけの自殺原因ではない。つまり、高校に行っていない子供と高校を卒業した18歳、19歳の年代も含まれている。その結果として、勤務問題、経済・生活問題、健康問題が増えるはずであるが、それでも大部分は小中高生であり、全体の問題と傾向を調べるのに適したデータである。

現在、子供の自殺の最大原因は学校問題である。この要因が増えているのか、あるいは、ずっと高い構成比を維持していると捉えるかは難しい問題である。2007年以前の統計を無理矢理繋げると、学校問題を原因とする自殺は増えている。2007年以降というタイムフレームでも30%前後から30-35%の間へと増加している。ただし、ここ数年間は30%台半ばで、構成比が増加していないとも言える。

一方、この表の一番上にある家庭問題に関しては、そのような注釈なしで確実に増えていると判断できる。2007年以降、10%前半から20%へとほぼ倍増しており、もうすぐ自殺の二番目の原因になりそうなペースである。

それに対して健康問題による自殺は減少傾向にある。また、これは構成比率が減少傾向にあるだけでなく、自殺の絶対件数に関しても減少している。健康問題とはほぼ精神疾患による自殺を指しており、それが減少しているのはメディケーションが効いているということだと思う。あるいは、精神疾患が人口確率的に発生するため、子供の数が減ったのと同様に精神疾患による自殺も減ったとも言える。

これらを含めて、それぞれの原因に関して更に細分化した統計列が公表されている。例えば学校であれば、いじめや学業問題という様に区分けされている。学校問題の自殺は根本的にいじめに起因しているものが多いはずであるが、自殺統計においては学業に関連する問題による自殺の方が多いとなっている。

それに関してはまた議論するが、統計の取り方として重要なことが一つある。例えば、精神疾患で自殺したとなったとしても、その精神疾患がいじめによってもたらされている場合がある。その場合、いじめが直接的な自殺原因ではなく、精神疾患が直接的な理由になり、統計上はそのように分類される。この統計手法が正しいかどうかは大いに議論のあるところだが、現状ではそのような統計だと理解しておく必要がある。

学校問題と健康問題が子供の自殺理由の一番と二番であるが、その前に、現状、大きく増加している家庭問題について議論を始める。

 

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