「外国人献金賄賂問題」5・不正競争防止法とあっせん利得罪の量刑の不均衡

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要点

  • 外国公務員への贈賄は贈収賄関連の犯罪の中で最も厳しい量刑になっている。
  • 外国公務員への賄賂においては地位に基づくあっせんも規制されているため、犯罪の適用範囲が贈収賄の中では最も広い。
  • 明らかに法の不均衡があるため、あっせん利得罪か不正競争防止法第18条の量刑を変更する必要がある。

不正競争防止法第18条は贈賄側を取り締まる法律であり、あっせん利得罪は収賄側を取り締まる法律である。一方で、不正競争防止法第18条は外国公務員に対して贈賄した際の犯罪を規定しており、この二つは贈収賄という側面において対になる関係にあるわけではない。

ただし、あっせん利得罪はもちろん外国人に対しても適用される。日本の政治家がその「権限」を行使して、外国人に対してあっせんして利得を得れば犯罪になる。その意味においては不正競争防止法第18条の方が厳しく、外国公務員が「地位」に基づいてあっせんしても犯罪になる。つまり、罪の重さとしては不正競争防止法第18条よりもあっせん利得罪の方が重いはずである。

しかし、実際の刑罰はあるべき姿にはなっておらず、以下のような量刑になっている。

あっせん利得罪 三年以下の懲役

政治資金規正法・外国人献金 三年以下の懲役

不正競争防止法・外国公務員への賄賂・五年以下の懲役

 

上記二つは収賄側の犯罪であり、残りは贈賄側の犯罪である。贈収賄においても刑罰には差が生じており、以下のようになっている。

収賄 刑法197条 五年以下の懲役

贈賄 刑法198条 三年以下の懲役

 

刑法の観点からすると収賄は贈賄よりも重い犯罪であるにも関わらず、現実的には不正競争防止法上の外国公務員への賄賂がより厳しいという量刑になっている。それに加えて、この条項では地位に基づくあっせんも規制されている。つまり、あっせん利得罪よりも幅広い行為を犯罪に対象にしている。もちろん、政治家は政治資金規正法上の外国人献金でも収賄が禁止されており、その意味においては外国公務員の賄賂は少なくともこの間の量刑になるか、あるいはそれよりも軽くなる必要がある。

しかし実際には、三年以下の懲役と三年以下の懲役に間にある犯罪行為であり、本来的には収賄よりも贈賄の方が罪は軽くなるにも関わらず、日本と外国のとのやり取りという観点に移った結果、量刑が逆転するという現象が生じている。これは不正競争防止法における外国公務員に対する贈賄が厳しすぎるのか、あるいはあっせん利得罪の量刑が軽すぎるかのいずれかになる。

この問題はあっせん利得罪を五年以下の懲役にすれば解決する。あるいは、不正競争防止法における外国公務員への賄賂を三年以下の懲役にしても平衡性は達成される。

そして、ここにもう一つの論点があり、それが「地位」と「権限」である。外国公務員への贈賄に関しては地位に基づくあっせんも規制されている。一方で、あっせん利得罪では権限に基づくあっせんのみが規制されている。外国人公務員への贈賄に関して地位となっているのは、OECDルールがそのように要求しているからである。

本質的には、あっせん利得罪においても地位に基づくあっせんを規制した方が良い。と言っても、法律を作るのは国会であり、国会議員が献金者に対するあっせん行為を一律的に禁止するような法律を作るとは思えない。ただし、現実的に日本の法律の中には地位に基づくあっせんが禁止されている条項があり、その量刑は権限に基づくあっせんよりも厳しくなっている。どのような結論になるにせよ、現状の量刑の中に法の不均衡が存在することだけは間違いない。

 

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