「子供の自殺増加の背景」14・いじめの増加

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要点

  • いじめは激増しており、それは統計の方法論の問題ではなく、実際にいじめが増えているからである。
  • 現在ではいじめの低学年化が問題になっている。
  • 自殺との関連では中学校や高校のいじめが問題の中心になる。

いじめは激増している。ただし、いじめの増加は統計の取り方が変わった話とセットになって語られていることが多い。実際にいじめ統計の取り方は過去に何度も大きな変化があった。特に、2005年度まではいじめの発生件数が統計として公表されていたのに対して、2006年度以降はいじめの認知件数を公表するようになった。その結果として、実際に統計値が跳ね上がったため、以下では2006年度の統計から始める。

いじめの件数

この図の通り、統計変更後の2006年度以降でも、いじめの件数は爆発的に伸びている。特に、2011年から2012年に掛けては倍増以上しているが、この際には統計の方法論が変わったということはない。それよりも学校がいじめ問題の取り組み方を変えたことが大きな理由になっている。この年から学校自身が積極的にいじめの調査に乗り出すようになり、結果として、実際のいじめをより発見できるようになった。

ただし、それだけではここまでのいじめの激増を説明出来ない。2016年以降のいじめの激増には、学校が方針を変えた以上の問題がある。と言うのも、特に、この時期において文科省の方針が変わったわけではないからである。それよりも、実際にいじめが増えており、最早、他の理由で説明できなくなっている。

学校別いじめ構成比

このグラフ先ほどのいじめ認知件数を学校別の構成比に直したものである。グラフでも一目瞭然の通り、いじめは小学校で爆発的に増えており、それが全体の統計値を押し上げている。これがいじめの低学年化という問題で、日本では小学校のいじめをどうするかが重大な問題になっている。

ただし、自殺という観点からすると小学校のいじめよりも中学校・高校のいじめの方が問題になる。と言うのも、小学生が自殺するケースは少なく、子供の自殺は高校生、中学生の順になっている。つまり、いじめという意味では小学生の問題が大きいが、自殺にまで繋がる問題となると中高生のいじめの方が重大な問題になる。

中高のいじめ件数推移

このグラフは中学校と高校のいじめ件数を取り出したものであり、やはり、いじめは増加している。小学生ほど激増はしていないものの、子供の数は減っていることを考慮すると、いじめ問題は大幅に悪化していると言える。

中学生の自殺件数推移

これは中学生の自殺件数のグラフであり、やはり、同じように趨勢的に増加し、いじめ件数と同じような増減傾向を持っている。期間が短いため統計的に処理は出来ないが、中学生の統計の中で同様の増加傾向を持っているものは限られており、いじめは子供の自殺の増加要因になっている。特に、中学生の自殺はかなりのスピードで増え続けており、大きな問題になりつつある。

 

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