「子供の自殺増加の背景」6・家庭要因の分析

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要点

  • 根本的には、親子関係の深刻なトラブルが自殺の引き金になっている。
  • 家庭問題の傾向は、児相への相談を分析すれば把握できる。

家庭問題による自殺に関しても更に小項目が分けられており、その内訳が公表されている。

子供の自殺家庭要因

この統計も2007年から現在の形で発表されるようになったため、それ以前の統計値は割愛している。この図から明らかなように、家庭要因には主に三つの問題があり、それらは親子関係の不和、家族からのしつけ・叱責、その他家族関係の不和という順番になる。

三つ目のその他家族関係の不和とはおそらく大多数は兄弟関係を指している。ただし、兄弟関係の中には親による兄弟間の差別的扱いも含まれているので、兄弟間のトラブルの結果、自殺に至ったという案件だけの統計値ではない。

一方で、親子関係の不和と家族からのしつけ・叱責の違いはよく分からない。これらの自殺原因は遺書ベースではなく、警察が自殺後に調査した結果が原因として発表されている。おそらく、自殺の直接的な原因がしつけや叱責であれば、それが自殺の原因となっているのだろう。そういう直接的な引き金がなければ、原因が親子関係の不和と分類されるのかも知れない。

この分類が分けられているというのは親子関係が良好にもかかわらず、しつけや叱責で自殺に至ったというケースもあることを示唆しているのかも知れない。ただし、普通に考えれば、しつけや叱責をしても親子関係が良好であれば自殺にまで至らないと思う。

もしかすると、親から見て親子関係は良好であったが、子供からすると良好でなかったのかも知れない。それが最悪に繋がったケースも可能性としては十分にあり得る。ただし、親が不和による圧迫をしつけと呼べば、それはしつけと分類される可能性も十分にある。

親子関係の不和としつけ・叱責の差がどれくらい大きいのかは分からないが、いずれにせよ、この二つは親子関係に起因する自殺であり、それらだけで家庭要因の3分の2を占めている。健康問題による自殺がほぼ精神疾患に起因しており、それが単独要員としては一番大きいが、親子関係の不和に起因する自殺はそれに次ぐ規模になる。ちなみに、本来的にはいじめによる自殺もほぼ同規模になるはずであるが、自殺統計ではそのような結果にはなっていない。

親子関係の不和という側面において、自殺というのは逃げ場を失った子供の最終手段になる。実際にはそこまで至らないレベルの問題はもっと多いはずである。そのような家庭問題を扱っている行政機関は児相であり、自殺原因だけを分析するのではなく、児相の相談を分析すれば、親子関係に起因する自殺の社会的背景を更に特定できる。

 

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