「子供の自殺増加の背景」3・二つの傾向

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要点

  • 小学生の自殺は増えているが、絶対数が少なく、統計というよりも個別分析の対象になる。
  • 中学生の自殺が増えており、子供の自殺件数全体を押し上げている。

小中高別の自殺件数

上のデータは小中高生の自殺件数の構成を示したものである。子供の自殺全体が伸びているように、グラフ一番下にある小学生の自殺件数も増加傾向にある。ただし、件数が多くないため、統計的に分析するのは難しい。年間約10案件ほどになるため、統計で分析すると言うよりも個別の案件を丁寧に調べた方が良い。

グラフの一番上にあるのは高校生の自殺件数で、これを増えていると捉えるかどうかは統計の見方による。過去十年、このグラフで言うと2007年あたりから見れば、自殺件数は大きくは伸びていない。2011年に大きな波があり、それに向かって増加するものの、それ以降は拡大してない。

ただし、2002年には自殺件数が大きく低下しているので、そこから比べると現状の自殺件数は大きな伸びになる。つまり、どこを基準に統計を見るかによって捉え方は大きく変化する。一方で、これは自殺件数の統計であり、高校生の人数が減り続けていることを考慮すると、自殺率は間違いなく増加している。そういう意味では、高校生の自殺件数の推移にも問題が隠れている。

どういう観点から見ても、中学生の自殺件数は増加している。子供全体の自殺件数を押し上げているのは中学生の自殺増加であり、どう起点を取るかという問題はあるものの、ここ10年で倍増している。

もちろん中学生の数も減っているため、自殺率はもっと上昇している。これは間違いなく大きな問題である。ただし、毎年の自殺件数が100人近くであるため、やはり個別の案件として丁寧に調べられる規模にも感じられる。

全体を総じて言えることは、中学生の自殺件数の増加が子供全体の自殺件数が増加を導いている。一方で、自殺の絶対件数は高校生の方が多く、子供の自殺という意味では、高校生の自殺件数が問題の中心になる。そのため、中学生の自殺件数増加をどう捉えるかと言うよりも、中高生全体の自殺をどう考えるかの方が重要になる。統計的には、そのように全体を捉えた方がマクロ的に問題の背景に迫れる。

子供の自殺は個別案件の問題であるが、同時に、自殺増加は社会的問題でもある。それは社会的に何らかの共通な因子があり、それは増加という傾向を導いているということである。これらの問題を把握する前段階として、まず、子供達が自殺した原因を調べる。

 

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