「子供の自殺増加の背景」1・統計から見えること

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要点

  • 子供の数が減っているのに対して、自殺数は増えている。
  • 子供の自殺増加は背後にある社会問題が表出した結果である。

日本において、子供の自殺は増えている。極端に多いわけではないが、自殺者数は確実に増加している。厚労省と警察庁が子供の自殺推移をまとめており、それを見れば現状がどのような状態にあるかが分かる。

子供の自殺数推移

このグラフは2001年から2017年までのグラフであり、比較的直近にまとめられたものである。実際には2018年の速報値が出ているため、数字自体は更にアップデート出来るが一年しか差がなく、これは担当官庁が作った資料なので、そのまま掲載する。

そもそも、この問題を調べようと思い至ったのは自殺件数の推移と言うよりも、子供10万人単位の自殺者の推移を見たからである。その数字は絶対数よりも伸び率が高い。

10万人あたりの自殺件数

ここにある通り、この期間の最低値は10万人当たり1.5人で、それが直近では10万当たり3人に近づきつつある。正確には76%の増加で、確かに、注意を要すべき変化率になっている。

とは言え、この数字をどう見るかは難しい問題である。そもそも、子供10万人当たりの自殺者数は3人には至っておらず、全体の0.003%以下の比率になる。

10万人あたりの統計を取るのは人口統計ではよく見られる手法で、それほど比率的に大きくない数字のインパクトを測る際に利用されている。つまり、数%にも満たないレベルの統計を取る際にパーミル等の百分率よりも大きい数字が使われ、自殺率自体も10万人単位で議論されることが多く、そういう意味では子供10万人当たりの数字には整合的な意味がある。

一方で、それでも大きな数字ではない。成人の自殺率は10万人当たり二桁になっているが、子供の場合は1.5人から2.7人に変動しており、絶対数の感覚であれば微妙な変化になる。もちろん、子供が自殺するというのは社会にとっても大きな問題ではある。

社会統計において10万人単位で見る理由は他にもあり、それは比率が人口変動の影響を受けないからである。日本では子供の数が減っており、それに伴って絶対数が減少する統計が多い。その場合、10万人当たりの数字は重要な指標になる。しかし、それにも関わらず、日本では子供の自殺件数が増えている。この問題は10万人単位の統計を取ることによって、更にはっきりと浮かび上がる。

つまり、子供の自殺には問題がある。自殺は最後の手段であり、その前段階までの問題を抱えている子供はもっと多いはずである。子供の自殺が増えているのは、そのような問題を抱えている子供も増えているという意味でもある。

それらがどのような問題であるかを明らかにしていくが、その前に、これらの統計数値をどう考えるかを議論する。

 

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