「2019香港選挙」3・選挙結果に関する幾つかの観点

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要点

  • 民主派が圧勝したが、小選挙区による効果もある。
  • 得票率以上に、投票数が爆発的に拡大したことに意義がある。
  • 香港の住民は選挙を通して意見を表明することを選択した。

今回の香港区議会選挙は民主派が圧倒的に勝利した。この選挙結果自体はWIKIに詳細が載っており、そのリンクを張っておく。

https://en.wikipedia.org/wiki/2019_Hong_Kong_local_elections

この選挙結果を分析する前段階として、民主派と北京派という名前について再確認する。英語では民主派と北京派という名前で陣営が分けられているが、香港において北京派は建制派と呼ばれている。そういう意味では建制派と呼んだ方が公式のような気もするが、それでは意味が分かり難いので、中国政府の意を受けて香港特別行政区の行政長官を支持する勢力を北京派と呼ぶ。

彼らは民主派や北京派と呼ばれているように、現実的には一つの政党ではない。複数の政党が連合した形で派閥が形成されており、個別の選挙区では民主派同士や北京派同士が競合することがある。

ただし、区議会の議席が479あるのに対して、民主派の候補者が515人で、北京派の候補者が498人であるため、派閥内ではほぼ選挙協力している。つまり、選挙結果を民主派VS北京派で比較するのは理に適っており、個別の政党別の結果を考慮する必要は特段にない。

そして、前にグラフで示した通り、民主派は8割以上の議席を占有することになったが、実は得票率の差はここまではない。今回の選挙と前回の2015年選挙における派閥別の得票率を以下に示す。

香港得票率

以上の通り、今回の選挙では民主派の得票率が58%で、北京派の得票率は42%である。一方で、2015年の選挙においてはこの数字が丁度反対になっている。つまり、16%の投票率のスウィングがあり、民主派が優勢となった。そして、選挙結果においては民主派が8割以上を占める圧勝となった。

一方で、今回の選挙には得票率以上に重要な指標があり、それが投票率及び投票総数の変化である。

香港投票数

 

このグラフに示されている通り、今回の選挙では投票数がほぼ倍増している。前にも書いた通り、区議会選挙はそれほど重要な選挙ではなく、元々、香港住民の関心が高い選挙ではなかった。図にある通り、前回選挙では150万人弱の有権者が投票したに過ぎなかったが、今回は300万人弱まで激増しており、その投票率は7割を越えたらしい。

これは春頃からずっと続いているデモの結果だとも言えるが、一方で、2015年選挙は2014年の雨傘運動の後に実施されている。つまり、単にデモだけで投票率が上がったという単純な要因ではない。

それ以上に、香港居民が区議会選挙を通して自らの意見を表明したという意味合いが大きい。つまり、香港区議会が香港の行政単位において持つ重要性が向上したわけではないが、今回の選挙が香港居民の意見を民主的に表明する良い機会になったということである。そういう意味では、北京派の票数も伸びおり、選挙という制度が民主主義において重要な機能を持つことを改めて見せつける機会にもなった。

 

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