「2019香港選挙」2・香港の区議会

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要点

  • 香港区議会選挙は元々大きな選挙ではない。
  • 香港の選挙区は小選挙区制であり、かなり狭いエリアから代表が選ばれる。
  • ただし、今回の選挙は現在の香港の民意を示したと判断できる。

香港のメインの議会は立法会であり、今回選挙が行われた区議会ではない。香港は中国における一国二制度という枠組みの中にあり、二制度目にあたる香港特別行政区の議会こそが立法会である。

香港の行政単位はそこから更に区という単位に分けられている。認識的には、香港特別行政区は香港島、九龍、新界、離島のエリアに分けられているが、実際には、その区域単位では議会は存在しない。例えば、香港島の中には中西区、湾仔、東区、南区という四つの区があり、それが最小区分の行政単位になっている。今回の区議会選挙は、この区分における選挙であり、元々、大きな選挙ではなかった。

香港に住んでいた感覚からしても、区議会選挙は重要そうには見えなかった。選挙が始まると歩道に候補者の看板が張り出されるが、その程度にしか見えなかった。日本のように選挙カーが走り回ることもなかった。

その背景の一つとして選挙区の狭さがある。元々、区域が狭い上に、それぞれの候補者は小選挙区から選ばれるため、更に選挙エリアが狭くなる。僕は中西区内にある半山区に住んでいたが、このエリアの小選挙区を地図として示す。

中環

地図上のA01選挙区は比較的面積が広いが、ここは香港の中心であり、立法会もこの中にある。つまり、中心部であるために人口密度が比較的に低く、選挙区は広くなっている。一方で地図の下に見えるA05のほとんどは山で、やはり人口規模が小さい。それらを除くと、小さな選挙区が幾つかあり、これらの面積はそれぞれ0.1平方キロメートルほどしかない。

逆に言うと、広く見えるA01やA05にしても1平方キロメートルほどの広さしかない。つまり、小選挙区が狭いため、選挙カー等は一切必要にならない。

それでも一つの選挙区当たりの人口は多い。区議会全体の議席数から考えると、選挙区当たり1.5万人ほどの人口になる。つまり、この0.1平方キロメートルのエリアに1.5万人もの住人がいる。実際の有権者割りで考えても選挙区あたり1万人くらいになる。それが香港の区議会選挙の小選挙区における規模であり、どうしても大きな選挙になりようがない。

更に付け加えると、選挙の対象は区議会議員である。立法会のように香港の法制度を決める場所ではなく、地区住民の行政サービスを監視するのが目的の仕事である。そのため、重要な選挙にはなり得なかった。

しかし、今回の区議会選挙は今までとは様相が違い、重要な選挙となった。それは北京派が支配的だった状態から民主派優位に変化したという点でも大きい。それだけでなく、今回の選挙は投票率が跳ね上がっており、両陣営が今回の選挙を重要だとみていた証でもあり、また住民が重要だと考えていた証でもある。

だからこそ、今回の選挙は現状の香港の民意を示したと考えている。次に、今回の選挙結果をもう少し違う角度から見てみる。

 

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