子供の自殺増加の背景

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1・統計から見えること

  • 子供の数が減っているのに対して、自殺数は増えている。
  • 子供の自殺増加は背後にある社会問題が表出した結果である。

日本において、子供の自殺は増えている。極端に多いわけではないが、自殺者数は確実に増加している。厚労省と警察庁が子供の自殺推移をま…

 

2・統計上の問題点

  • 自殺統計には限りがあるため、統計解析できるほどのデータ量がない。
  • 日本での子供の自殺増加は人口減少という社会的傾向に反している。

一般的に、統計データを分析するにはクロスチェックするのが最も単純な方法になる。二つの統計系列があって、そこに相関があ…

 

3・二つの傾向

  • 小学生の自殺は増えているが、絶対数が少なく、統計というよりも個別分析の対象になる。
  • 中学生の自殺が増えており、子供の自殺件数全体を押し上げている。

上のデータは小中高生の自殺件数の構成を示したものである。子供の自殺全体が伸びているように、グラフ一番下にある小学生の自殺件数も増加傾…

 

4・自殺の原因

  •  大人と子供では自殺の主たる原因が異なる。
  • 子供の場合、問題のほとんどが家庭か学校にある。

日本の自殺統計の中には自殺の原因という調査項目がある。以前は遺書を前提に自殺原因が特定されていたが、2007年に方針が変…

 

5・子供特有の自殺要因

  • 家庭問題による自殺が徐々に増えている。
  • 健康問題による自殺が減少している。
  • 子供の自殺最大の要因は学校問題である。

自殺統計の中では自殺の原因に関する統計値も発表されており、子供の自殺原因もそこで公表されている。しかし、現在の統計方法は2007年に変更…

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6・家庭要因の分析

  • 根本的には、親子関係の深刻なトラブルが自殺の引き金になっている。
  • 家庭問題の傾向は、児相への相談を分析すれば把握できる。

家庭問題による自殺に関しても更に小項目が分けられており、その内訳が公表されている。 この統計も2007年から現在の形で発表され…

 

7・児相通報の激増

  • 児相への通報件数はかなり増加している。
  • 通報が増えた理由は複数あるが、間違いなく、児童虐待は増えている。

いろいろ理由はあるものの、現在、児相への通報は爆発的に増えている。 このグラフは2008年以降の児相への通報件数である。2008年に年間4万件だったところから、今では年間14万…

 

8・児相通報増加の原因

  • 児相への通報が増えたのは警察との連携が進んだからである。
  • ただし、警察連携を除いても児相への通報は増加している。
  • 特に、近隣住民からの通報が激増している。

児相への通報は爆発的に増えているが、それは児相と警察の連携によるところが大きい。それは通報の相談経路の構成比を…

 

9・児童虐待の増加

  • 児相への通報が増えたのは家庭内暴力が増えたからである。
  • 通報が増えただけでなく、実際に虐待が増えている。

昔から家庭内の暴力はあり、児童虐待はあった。今の社会では、そういう行動が厳しく非難されるようになっており、家庭内の問題はより顕…

 

10・共同体の変化と児童虐待

  • 地域共同体が大きく変容しており、虐待の歯止めにならなくなっている。
  • 少子化により、以前よりも親子が孤立している。
  • これら二つの変化が児相への通報を増加させている。

児相への二番目の相談経路は近隣知人からの通報である。昔の日本であれば、集落で起こった問題は集落の中で処理されることもあり、必ずしも警…

 

11・行政介入の必要性

  • 共同体内や親子内では問題が処理できなくなっており、行政が介入するしかない。
  • 特に、重大事態を避けるためには行政が早期介入するしかない。

共同体が弱く、親子が孤立しているのは都会の方が多いはずである。そして、人口移動の結果、子供が多いのもまた都会である。そのような地域…

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12・学校要因による自殺

  • 政府の自殺統計の取り方に問題がある。
  • 学校要因による自殺のほとんどが学業問題になっているが、それは間違った公式発表である。

子供の自殺の最大要因は学校問題である。過去においては健康問題、つまり精神疾患が子供においても主たる自殺要因になっていたが、今では学校要…

 

13・学校要因は根本的にいじめ問題

  • 子供の自殺の最大要因は学校問題である。
  • 学校内での暴力行為は増えているが、それは自殺へとは繋がっていない。
  • いじめが根本的な問題である。

いじめの議論をする前に学校内における暴力行為に触れておく。 これは平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査…

 

14・いじめの増加

  • いじめは激増しており、それは統計の方法論の問題ではなく、実際にいじめが増えているからである。
  • 現在ではいじめの低学年化が問題になっている。
  • 自殺との関連では中学校や高校のいじめが問題の中心になる。

いじめは激増している。ただし、いじめの増加は統計の取り方が変わった話とセットになって語られていることが多い。実際にいじめ統計の取り…

 

15・いじめ発見のきっかけ

  • 教師のいじめ発見能力は高くなく、教師に過剰な期待をするべきではない。
  • 現実的には、いじめのアンケート調査がいじめ発見に大きく寄与している。
  • 誰かがいじめを発見することを期待するのではなく、間接的にいじめを訴える機会を作ることが重要である。

この表は2018年度の文科省の調査に基づいており、その単年度のいじめ発見のきっかの構成比を示している。ここにあるように、過半のいじめは学校によって発…

 

16・いじめはどうやって起こるのか?

  • 現在の文科省の調査方法では、いじめの根本的要因は分析できない。
  • いじめを根本的に抑制する方法は依然見つかっておらず、だからこそいじめは増加し続けている。
  • 新法制度によりいじめの重大事態が公表されるようになったため、その分析が行われれば、より実効的な方法論に結びつくかも知れない。

いじめの態様も文科省によって調査されており、統計として公表されている。 最も多いのは一番上の項目で、「冷やか…

 

17・学校要因の結論

  • 統計上、いじめは子供の自殺の主たる要因とされていないが、実際にはいじめこそが学校要因による自殺の根源である。
  • 現状ではいじめが増加しており、それが子供の自殺の増加に繋がっている。

子供の自殺原因は精神疾患、親子関係の不和、いじめの順に多いはずであり、これだけで過半を占めている。このうち、いじめによる自殺というのは統計上極めて過小評…